1999/2000年
今シーズンのナショナルリーグは、昨年12月4日に開幕し予選ラウンドがリーグ戦形式で2月19日まで各地にて、決勝ラウンドが2月29日から3月5日までシドニーにて行われました。例年国際大会やナショナルチームの活動によって、このリーグ戦の時期や方法が設定されています。今年の場合、オリンピックに向けてナショナルチームの合宿などが多く組まれていることから、少し早めの開催となりました。
ここ数年、外国チームの参加を予選リーグに限り認めていて、ニュージーランドと韓国(初参加)が参加しました。ニュージーランドは、各チーム(韓国を除く)と2試合ずつの計19試合(自国開催含む)を、約2ヶ月間に行いました。韓国も豪州各地を転戦して13日間で10試合を行いました。
各チームは地元で組織されたチームですが、その大部分はヨーロッパのようなクラブチームとは少し異なります。資金のほとんどをスポンサーから集め、ホームプールは公営のプールを利用しています。スポンサーは多いチームで10社、少ないチームで1社とその差は大きいようです。プールによって入場料(2〜7豪ドル)を取ったり、試合後の懇親会のチケットを売ったりと資金を獲得する努力も行われていました。フィールドの周りにも、スポンサーの広告がフロートに貼り付けられて浮かんでいました(下写真)。
選手のほとんどはアマチュアであり、学生や社会人選手です。選手の年齢層は、20歳台が中心ですが、16歳から30歳台の広い年齢層が18名のメンバーに登録されています。またシドニーとフリマントル以外のチームは、その都市にあるいくつかのチームの混成チームとしてリーグに参加しています。今年の参加は9チームで、AISで練習を行っている選手たちは数名ずつ各チームに分かれています(表参照)。諸外国では、各チームで練習や試合を行っている選手たちが、ナショナルチームとして集まって国際大会へ出場したり合宿を行っていますが、豪州は普段一緒に練習をしているナショナルチームの選手が各チームに分散してリーグを戦っています。
コーチングスタッフに関しては、プロコーチを有しているチームは存在せず、彼らは遠征費支給のみの無給です。しかし豪コーチングカウンシルの認めるレベル2の資格を持ったコーチがほとんどだそうです。
リーグ戦は予選ラウンドが各チーム1試合ずつ行われ、AISの選手4人に加え外国籍選手3人がいるFremantleが、10勝1敗の1位で通過しました。続いてCronullaが最終戦において、接戦の末Sydney Universityを破り2位となりました。上位6位までが決勝ラウンドに進めます。試合日程は、外国チームの遠征を考慮し、序盤に2国の試合が集中的に組まれていました。シドニーを中心に各ホームタウンでも日程が組まれているため、後半に試合が集中したり、ダブルヘッダーを行わなければならないチームもあり、地方チームのほうがハードな日程でした。
決勝ラウンドの方式は、予選2位までは準決勝に自動的に進め、3位と6位、4位と5位がそれぞれ2試合ずつ行い、2勝したほうが準決勝に進めます。準決勝、3位決定戦、決勝とも同じ方式で2試合づつ同じチームと試合を行います。準決勝には順当に上位4チームが勝ちあがり、最終順位は予選通過と同じ結果となりましたが、準決勝以降はほとんどの試合が延長戦にもつれ込む大接戦となりました。優勝はFremantleが獲得しましたが、シドニーにあるチームが上位を占めています。最も水球が盛んな地域であり、ナショナルプレーヤーも多く所属しています。
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1 |
Fremantle Mariners | フリマントル | 4 | 10勝1敗 |
2 |
Cronulla Sharks | シドニー | 5 | 9勝2敗 |
3 |
Sydney University Lions | シドニー | 5 | 8勝2敗1分 |
4 |
Balmain Tigers | シドニー | 2 | 8勝3敗 |
5 |
Victorian Tigers | メルボルン | 4 | 6勝3敗2分 |
6 |
Perth Torpedoes | パース | 0 | 6勝5敗 |
7 |
West Sydney Sea Hawks | シドニー | 2 | 5勝4敗2分 |
8 |
Brisbane Barracudas | ブリスベン | 0 | 3勝8敗 |
9 |
Adelaide/Canberra Jets | アデレード&キャンベラ | 1 | 2勝9敗 |
10 |
New Zealand Stringrays | ニュージーランド | 3勝16敗 | |
11 |
South Korea | 韓国 | 1勝8敗1分 |
<準々決勝> ○Sydney Uni.−Perth●(10-7,13-3) ○Balmain − Victrian●(11-6,9-8)
<準決勝> ○Fremantle−Balmain●(5-3,10-9) ○Cronulla−Sydney Uni.●(4-3,7-6)
<3位決定戦> ○Sydney Uni.−Balmain●(9-8,6-8,2-0)
<決勝> ○Fremantle−Cronulla●(10-11,6-5,4-2)
(1戦目結果 , 2戦目結果 , 延長戦結果)<リーグ最優秀選手> Gavin Woods(Balmain)
<最優秀ゴールキーパー> Guy Newman (Balmain)
<ファイナルシリーズ最優秀選手> Sean Boyd (Cronulla)